paint

塗料に使う樹脂ってどんなもの?

エイミー
エイミー
今日は樹脂のことを説明するね

マリア
マリア
突然に言う必要があるの?

エイミー
エイミー
樹脂はとても大切だからだよ

塗料は、樹脂、溶媒、顔料、添加剤でできている

おさらいだけど塗料は樹脂、溶媒、顔料、添加剤で出来ている。樹脂はそのうちの膜になる成分なんだ。塗料の性能を決めるとっても大事な成分だよ。

エイミー
エイミー
その前に、良く出ててくる用語を説明します

塗料の用語その1 

耐候性 建物の壁や自動車に塗られた塗料は、いつも太陽の光や風雨に晒され紫外線や水によって塗膜は劣化します。色が白くなったりヒビ割れがはいります。紫外線がお肌に良くないように塗膜にも良くないのです。

耐候性は、そのような自然の力にどれくらい耐えられるかを示す性能です。塗料メーカーは、耐候性の良い樹脂を組みわせたり紫外線吸収剤を混ぜてよくします。

塗料の説明書では、キセノンランプ促進耐候性〇〇時間、光沢保持率80%のように表示されます。促進試験とは自然の気候を人工的に作り速度を何倍にも早めた試験です。〇〇時間の試験の後で塗膜の光沢(艶)が80%残っていたことを示します。一般的に試験時間が長いほど光沢保持率が大きいほど耐候性の良い塗料になります。

耐食性 防食性とも言われ、塗料が塗られた物を錆から守る性能をいいます。塩水噴霧試験〇〇時間錆発生なしというように使われます。塩水噴霧試験は、テストする塗膜に塩水をスプレーしてわざと錆びやすくする試験です。一般的に試験期間が長いほど錆の発生が少ないほど強い塗料になります。

樹脂ってどんなもの

エイミー
エイミー
それでは、樹脂を説明するよ

樹脂はもともと植物から採れたベタベタ物質なんだ。松脂や漆なんかだね。天然ゴムもそう。今は化学が発展して石油から合成樹脂が作られるようになっている。人工的に作られた合成樹脂は、買い物用のビニール袋から塗料までたくさんの用途で使われている。合成樹脂は目的に合わせて作れるので多くの種類があるんだ。

天然樹脂にも多くの種類がある。さっき言った漆やゴムのような樹から取れるもの、動物性のものがある。ゼラチンや膠、牛乳に含まれるカゼインも樹脂の仲間なんだ。食べ物に樹脂の仲間があるって不思議だね。

ちょっと難しいけど、樹脂には熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂がある。熱可塑性は熱をかけると柔らかくなって、冷えると固まるを繰り返す樹脂なんだ、ポリエチレンとかビニールとかプラスチックと呼ばれるものだね。

熱硬化性樹脂は、熱をかけると固まって元に戻らない。熱によって樹脂の手が繋ぎあって架橋構造ができるんだ。熱の変わりに化学反応で架橋させるものもある。塗料や接着剤に使われるのは殆どこの熱硬化性樹脂なんだ。

塗料に使われる樹脂

エイミー
エイミー
塗料に使われる樹脂を紹介するね

塗料缶やカタログにはアクリル樹脂とかウレタン樹脂やエポキシ樹脂とか書いてある。ポリウレタン樹脂は耐候性が良いけれど、エポキシ樹脂は耐候性が良くない。けれどエポキシ樹脂は耐食性が良いなど、樹脂は特徴があるんだ。塗料メーカーは何種類かの樹脂を組わせたり新しい樹脂を作って目的の性能にあった塗料を開発するんだ。

エイミー
エイミー
正確にはラジカル制御は樹脂ではないけど比較のために入れてます

だから塗料は一つの樹脂だけで出来ているのは少なくて、複数の樹脂が使うことが多い。塗料のカタログにフッ素樹脂〇〇%配合などと書いてあるので分かるんだ。フッ素樹脂だけだったら塗りにくい塗料になる、価格がとても高くなる、保存しにくい塗料になるなんかの不具合が出てくるんだ。

性能、塗りやすさ、保存の安定性、価格などを考慮して、お客さんにメリットを提供できる塗料を作るのがメーカーの腕の見せ所なんだね。料理やウィスキーのブレンデッドに似ているね。

マリア
マリア
色んな樹脂はどう違うの?

樹脂の特徴を説明しよう

エイミー
エイミー
それでは、樹脂の特徴を説明するよ

アクリル樹脂は、アクリル酸やメタクリル酸誘導体、スチレンなどのモノマーを数種類共重合させた樹脂のことをいうよ。分子量を選択しやすいので色んなアクリル樹脂が作れて、無色透明で光沢、耐候性、耐水性、耐薬品性に優れているので、塗料用樹脂としてたくさん使われている。建築用の水溶性塗料にも多いね。

フッ素樹脂はフッ素原子を含む重合体であり原子間の結合力が強いから、耐候性が優れているんだ。他にも耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、撥水性がとても優れている。滑り性や非粘着性といった独自の性質も有るんだ。

だから、塗料以外にも航空機や半導体といった精密機器から、フライパンや炊飯器といった身近な家庭用品まで広範囲に使われている。ただ欠点は値段が高いことだね。

マリア
マリア
なんか難しいぞ

エイミー
エイミー
こんなのがあるな、くらいで覚えよう

シリコーン樹脂はシロキサン結合(Si-O-SI)と各種有機基が結び付いて主骨格とした樹脂で特徴のある性能を発揮するんだ。シロキサン結合は強くて酸化し難い、特に耐熱性に優れてる。耐候性や耐水性、撥水性、耐薬品性、電気絶縁性も優れている。

ウレタン樹脂は、複数の水酸基を持つ樹脂(ポリオール)の主剤とポリイソシアネートを硬化剤とした塗料のことだ。ポリオールとポリイソシアネートの組み合わせ次第で様々な特徴が出せる。塗料は耐候性が必要な上塗りとしてよく使われる。一液湿気硬化型の下塗りや低温硬化型塗料にもなる。

エポキシ樹脂は、分子中に複数個のエポキシ基がある樹脂のことだよ。ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成されるエポキシ樹脂が塗料に使われる。耐水性、耐薬品性、付着性に優れているけれど耐候性が弱いんだ。

無機系樹脂は、無機成分を主体とする合成樹脂で、ふっ素樹脂を上回る耐候性に加え塗膜に無機成分が多いから燃え難にくい。対候性がいちばん良いと言われている、値段もいちばんだけどね。

マリア
マリア
難しすぎる〜 わかったようなわからないような

塗料に使われる樹脂はこのような特徴を持っています。ただ化学的に深く理解するのは難しいので塗料を選ぶとき〇〇系と書かれていたら、こんな特徴の塗料だったな程度に覚えていたら良いと思います。最近はラジカル制御を良く聞きますが別の機会に説明します。

塗料はこの樹脂に顔料や添加剤を加わって出来てます。樹脂は塗料の骨格であり、塗膜の性能は殆ど樹脂で決まります。家に塗る塗料を選ぶとき樹脂系はとても重要です。性能と価格を良く考える必要があります。

エイミー
エイミー
次は色について考えてみるよ