塗料に使う樹脂ってどんなもの?

おさらいだけど塗料は樹脂、溶媒、顔料、添加剤で出来ている。樹脂は塗膜になる成分だ。塗料の性能は樹脂によって殆ど決まるからとっても重要成分なんだよ。
塗料の用語その1
耐候性 建物の外面や自動車に塗られた塗料はいつも太陽の光や風雨に晒されます。塗膜は紫外線や水によって劣化して白くなって色がなくなります。塗膜にヒビがはいったり酷い時は剥がれます。紫外線はお肌だけでなく塗膜にも良くないのです。
耐候性は塗膜が紫外線などの自然の力にどのくらいの期間耐えられるかを示す性能です。塗料のカタログにはキセノンランプ促進耐候性2500時間光沢保持率80%のように書かれています。キセノンランプやサンシャインウェザオメーターは耐候性を試験する機械のことです。
自然環境で試験をするのが良いのですが、10年間の試験結果がでるまで当たり前ですが10年かかってしまいます。それでは時間がかかりすぎ開発が進みません。そこで自然環境、紫外線や風雨、温度変化など人工的に再現する機械が開発されました。それが前出の機器でJISでも指定されています。
キセノンランプ促進耐候性2500時間光沢保持率80%は、塗膜にキセノンランプを2500時間照射したあとでも塗膜の光沢(艶)が80%残っていたことを示します。一般的に試験時間が長くて光沢保持率が大きいほど耐候性が良い塗料になります。
塗料メーカーは耐候性の良い樹脂や紫外線吸収剤を使って塗膜が長持ちするように工夫しています。ただ性能が良い樹脂は価格が高くなるので性能とコストのバランスも考えて塗料を作っています。
耐食性 防食性とも言われます。被塗物(塗料を塗られた、または塗られる物)を錆から守る性能をいいます。塗料を塗った被塗物(例えばフェンスや自転車)に錆がでるまでの時間を試験します。カタログでは塩水噴霧試験720時間錆発生なしとのように記載されます。
耐候性と同じように試験期間を短縮するため塩水噴霧試験機が使われます。試験機は塗料が塗られたテストピースに塩水をスプレーして錆びやすくします。一般的に試験期間が長くて錆の発生が少ないほど耐食性が優れた塗料になります。

塗料の樹脂ってどんなもの
樹脂は化学的には高分子化合物と言われれるんだよ。昔は松脂や漆のように樹木から採れたベタベタした物質だった。天然ゴムもそうだね。それを採取して防食や着色に使ってたんだ。天然の樹脂は動物性のものもある。ゼラチンや膠、牛乳に含まれるカゼインも樹脂の仲間なんだ。膠は昔の接着剤だよ。食べ物に樹脂の仲間があるって不思議だね。
現代になり化学が発達すると石油から合成樹脂が作られるようになったんだ。合成樹脂は用途に応じた樹脂が好きなだけ人工的作れるから便利なんだ。買い物用のビニール袋用から塗料用までたくさんの種類が作られている。
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂:ちょっと難しいけど樹脂には熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂があるんだ。熱可塑性は熱をかけると柔らかくなって冷えると固まるを繰り返す樹脂だよ。ポリエチレンやビニール、プラスチックと呼ばれるものだね。
熱硬化性樹脂は熱をかけると固まって元に戻らない樹脂なんだ。熱がかかると樹脂の手が繋ぎあって架橋構造ができる。熱の変わりに化学反応で架橋するものもあるんだよ。塗料や接着剤に使われるのは殆どこの熱硬化性樹脂や化学硬化性樹脂なんだ。

塗料に使われる樹脂
樹脂はほんとうにたくさんの種類があるね。塗料に使われる樹脂も色んな種類があるよ。それはカタログを見ればわかる。アクリル樹脂やウレタン樹脂、エポキシ樹脂なんて書いてあるね。それは用途に合う樹脂を選んでいるからなんだ。樹脂は種類によって色んな特徴があるからだよ。
ポリウレタン樹脂は耐候性が良い。エポキシ樹脂は耐候性が悪いけれど耐食性は抜群と言う風に特徴がある。だから塗料は単独の樹脂でなく複数の種類を組み合わせて作られるんだ。この塗料は対候性が重要だからアクリル樹脂を多くしよう、とか耐食性もいるからエポキシ樹脂を少し入れよういう風に設計していくよ。
どんな樹脂をどんな割合で配合したかはカタログを見るとわかる。目的に応じて、耐候性や耐食性、その他の性能、コストのバランスをいかにうまく取るかが重要になる。ただそれ以外にも必要なものがあるよ。例えばフッ素樹脂は対候性がトップクラスに良いのだけど、それだけだったらとても塗りにくい塗料になるんだ。価格もとても高くなる。保存しにくいと実用性が無くなってしまう。それを防ぐために作業性の良い樹脂を配合するんだ。
塗料は見かけはみんなドロドロの液体だけど、乾いて塗膜になったときのことを考えて色々考えてあるんだよ。

性能、塗りやすさ、保存の安定性、価格などを考慮して、お客さんにメリットを提供できる塗料を作るのがメーカーの腕の見せ所なんだね。料理やウィスキーのブレンデッドに似ているね。
樹脂の特徴を説明しよう
アクリル樹脂はアクリル酸やメタクリル酸誘導体、スチレンなどのモノマーを数種類共重合させた樹脂だよ。分子量が選択しやすいので色んなアクリル樹脂が作れるんだ。無色透明で光沢があり、耐候性、耐水性、耐薬品性に優れているので塗料用樹脂として多く使われている。建築用の水溶性塗料にも多いよ。
フッ素樹脂はフッ素原子を含む重合体のことだ。原子間の結合力が強いから耐候性が優れている。耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、撥水性も優れている。滑り性や非粘着性といった独自の性質も有る。だから、塗料以外にも航空機や半導体といった精密機器から、フライパンや炊飯器といった身近な家庭用品まで広範囲に使われているんだけど、欠点として値段が高いことがあるんだ。
シリコーン樹脂はシロキサン結合(Si-O-SI)と各種有機基の結び付きを骨格とした樹脂だよ。特徴のある性能を発揮するんだ。シロキサン結合は強くて酸化しにくい、耐候性や耐水性、撥水性、耐薬品性、電気絶縁性も優れている。いちばん優れているのは耐熱性なんだ。耐熱塗料にも使われている。
ウレタン樹脂は複数の水酸基を持つ樹脂(ポリオール)の主剤とポリイソシアネートを硬化剤として硬化させる樹脂のことよ。ポリオールとポリイソシアネートの組み合わせによっていろんな特徴が出せるんだ。塗料では耐候性が必要な上塗り塗料としてよく使われる。普通は二液型だけど一液湿気硬化型や低温硬化型塗料もできるんだ。
エポキシ樹脂は分子中に複数個のエポキシ基がある樹脂のことだ。塗料はビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成されるエポキシ樹脂が使われる。耐水性、耐薬品性、付着性に優れている。けれど耐候性が弱いんだ。だから下塗り塗料に使われることが多いんだ。
無機系樹脂は無機成分を主体とする合成樹脂で、ふっ素樹脂を上回る耐候性がある。石や岩などの無機質に近いから当然だから加え塗膜に無機成分が多いから燃え難にくい。対候性もいちばん良いんだ。石や岩などの無機物に近いから当然だけど値段がいちばん高いんだ。
塗料に使われる代表的な樹脂はこのような特徴を持ってるんだ。ただ科学者や専門家のように深く理解するのは難しいので、こんな特徴の樹脂だったくらいを覚えていたら良いと思うよ。そして塗料を選ぶときの参考にすればいいんだ。これ以外に最近はラジカル制御といのを良く聞くけどその説明はきますが別の機会に説明するね。
塗料はこの樹脂に顔料や添加剤が加わって出来るよ。樹脂は塗料の骨格であり性能は殆ど樹脂で決まるんだ。塗料を選ぶとき樹脂系はとても重要なるよ。自分が求める性能と価格を良く考えるないといけないんだね。



